ごあいさつ
古来より、日本の暮らしと風土に寄り添ってきた「茅葺き」の屋根。 私たちは、このかけがえのない伝統技術を守り継ぐとともに、現代の建築や空間づくりにも柔軟に活かしながらこれからの時代へ受け渡してまいります。
一般住宅や神社仏閣、重要文化財はもちろん、縄文、弥生時代の住居復元、茅・杉皮・竹を用いた門や店舗内外装、さらにはイベント用のセット製作に至るまで、さまざまなニーズにお応えしています。
失われつつある風景を守り、自然と調和する風景を未来へ紡いでまいります。

茅葺きのある風景
私が職人としてこれまでに携わった茅葺き屋根の一部を、ギャラリーにてご紹介しております。
季節の光に映えるその姿には、伝統の技と一棟一棟への想いが宿っています。手仕事が生む美しい力強さをぜひご覧ください。

屋根の上から大地の下まで
風にそよぎ、光を浴びて育った茅は、やがて屋根となり暮らしを静かに守る。その役目を終えれば土を肥し、再び命を咲かせる力となる。
建築と農がひとつの環でつながる、まさにならではの循環∞
茅葺きはただの屋根ではない。それは暮らしと大地を結ぶ、先代から伝わる持続可能な知恵なのです。

施工実績
茅葺き屋根は希少な自然素材を用い、すべての工程を手作業で行うため、施工費や維持費がかさむとされています。
当社では施主様との対話を重ねながら、施工方法の工夫や補助制度の活用など、最善の選択肢を共に探ってまいります。
ご満足いただけるかたちで実現し、それが次の世代へと受け継がれていく、そんなことを願って工事を承りたいと思っています。

茅葺きが紡ぐ暮らしの記憶
ススキ、麦わら、ヨシ、杉皮、竹、縄、木材、草ーー
それら大地の恵みを束ね編み上げて創る、最も古く、最も自然的で美しい建築技法、それが茅葺きです。
風土に根ざし、人々の暮しの中から生まれたこの技は、生活の必然性に裏付けられた理にかなう構造ゆえ、基本的な工法はほとんど姿を変えることなく受け継がれてきました。
茅葺き屋根を守ることは、単に建物を残すことではありません。
それは日本の原風景を守り、山や里の営みを未来へ渡していくこと。
自然と共にあった記憶と、土地に息づく文化を、次の世代へ手渡していくということなのです。